草衣so-iでは、日本古来から伝わる「灰汁醗酵建て」という技法で藍染めを行っています。
原料は、藍葉を乾燥、醗酵させてつくる蒅(すくも)、灰汁、貝灰、ふすまです。化学薬品を使用せずに藍の染液を作り出します。
工房の甕の中を静かにたゆたう「藍」は、私たちの意思ですべてをコントロールすることはできません。
藍を建てる人の心持ちによってその姿を変え、色を変え、日々驚きの連続です。
自然から生まれた草衣so-iの藍色をご覧ください。
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蒅(すくも)
灰汁醗酵建ての原料である蒅(すくも)は藍の葉を醗酵させて作る天然染料です。
夏に収穫して乾燥させた葉藍を寝床に寝せ込み、水を打っては切り返し醗酵させます。蒅の製造には120日ほどの、長い時間がかかります。
醗酵して、熟成された蒅は美しい藍色をつくりだします。 -
藍建て
「灰汁醗酵建て」には良質な灰汁がかかせません。山口県産の木灰を使い澱みなく透明な灰汁をとります。灰汁は精錬や染色後の水洗いにも使います。
藍の染液を作る「藍建て」には化学薬品は一切使用しません。
原材料は、蒅・灰汁・貝灰・ふすま。これらの材料を藍甕の中で醗酵させて、染液を作ります。
10日ほどかけてゆっくりと醗酵させた藍甕に藍の華が咲いたら染色をはじめることができます。藍甕の中で藍は生きています。
藍の表情を見ながら毎日攪拌をして、適宜手当てをして、蒅が持っている全ての色を頂きます。色を出し切った藍は畑に撒き、土に還します。
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染色
生地や糸を藍甕に何度も浸しては、酸化を繰り返し発色させ色を濃くしていきます。
素材によって、染め方や染める回数を変えています。藍甕の管理は毎日かかさずに藍の調子を見ながら日々染色をします。
型染めや絞り染めの技法を使って、様々な柄を表現することもできます。 -
水洗い
地下水と灰汁を使い、水洗いと湯洗いを繰り返します。
生地や糸についた不純物や染め付かなかった藍を洗い流します。後々の色の冴えにとても重要な工程です。
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仕上げ
天日干しで、生地や糸に付いている灰汁や不純物を抜きます。
紫外線に当てることで堅牢度もよくなります。
水洗いと天日干しを繰り返して仕上げます。水と風と光を使って、冴えた藍色に仕上げます。
皆様の暮らしの中で
自然素材を扱う草衣 so-i の工房では、一つひとつの工程すべてに、大切な意味があります。
適切なお手入れをしていただくことで、天然藍ならではの豊かな風合いを、長くお楽しみいただけると思います。
私たちの作品が、お客様の暮らしにやさしく寄り添う存在であればと願っています。
